そんな私の傍を離れていかなかったのは両親だけだった。
「お母さん、お父さん。
私は気持ち悪いの?」
「…彩花。そんな事ない。彩花は私達の可愛い娘だ」
「そうよ。周りの子となんら変わりないわ」
そうやって私を抱き締めた。
とても暖かくて…
とても冷たかった。
二人の目から流れる涙が 切なさを伝えた。
私はお母さんやお父さんがいればそれだけでよかった。
幸せだった…。
でも………。
幸せは長続きしないってよく言うけど
本当の事なんだね…
あっという間に消えていった。
全部、全部灰になって…
家も思い出も大切な命も 全部灰になって消え去った。
結局は皆私から離れていく。
その事も私は学んだ。

