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蝉の声を聞きながら瑰竜と出会ったあの道に来ていた。
「瑰竜…?」
だけど瑰竜はいない。
動物のような耳や和服姿はどこにも見えない。
あれ?確かに朝、言ったよね…帰り道にここに来るって。
「…まぁいっか。」
ちょっと悩んだがまたいつか出会えるだろうと信じ家へと続く道を歩いた。
―――――…
家に着きドアを開ける。
「彩花ちゃん、お帰り」
リビングに行くと紗代さんが私をむかえてくれた。
「ただいまです。」
私はそれだけ言って2階の部屋に向かった。
「ふうー…。」
部屋に入るなり鞄を投げ置きベットに寝転ぶ。
今日も暑かったし疲れた……。
夏は私が一番好きな季節であると共に嫌いな季節でもある…
って、思いっきり矛盾しちゃってるよね…。
「ははっ…本当私って馬鹿だな。」

