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生暖かい血。貪る姿は、まさしくバケモノ。
理性なんてものは、一日に一回有るかどうか。手当り次第に血を吸って、殺してしまうなんてことも珍しくなかった。このままなら、オレの行く末は決まってる。落ちて、堕ちたその先には影があるだけ――…
だがあの日、オレがオレでいられる日が訪れた。アイツといると、久々に感情なんてものも実感したし、食事以外で初めて欲しいって思った。
発作からくる感情じゃない。純粋に、理性ある自己がアイツといることを望んだ。
まともな時間。もう奪わなくてイイ。アイツとならそれができると、この時間が続くことを望んだ。
少しでも希望を抱いて。
もしかしたらと信じて。
でも……結局は変わらなかった。
やっぱりオレはバケモノで、護ることができなかった。次は、なんて言ってたが、せっかくのチャンスも生かせそうにない。
なんせこれから、オレはアンタに酷いことをするんだから。