放課後。
 生徒会の作業を終えて窓から夕日を見た。

 視線を落とすと、裏庭の隅のベンチに彼が座っているのが見えた。

 なんとなく、彼だと思った。
 その根拠はどこにもない。

 雑誌か何かを顔にかぶせているから、寝ているのかもしれない。


 別に、待ち合わせをしたこともないけど、一緒に帰ったりするのは珍しいことだった。


 たまに下駄箱で会えば、帰るか、となるだけで。