「ね?超ムカつくでしょ?!」

  帰り道、あたしは早速実貴に報告した。

「確かにね~」

「もう嫌っ!あの先生!」

「まぁまぁ。それより、あの人とはどうなの?」

  あの人とは、あたしの好きな人。

  小六のときに好きになった。

「ん~……。クラス離れてからあんまり話さなくなった」

「そっか~」

  前はあの人の話をしてるだけで、幸せだったけど……。

  今はあの先生にムカつきすぎて、心の中はモヤモヤしすぎ。

「これから塾んとき、毎回憂鬱じゃん」

  あたしは大きいため息をつき、自転車を漕いだ。