闇の中で一人笑いながら、さらに木箱を積む作業にかかる。

家主の片付け程度に感謝をしつつ、あるだけの木箱を階段上に重ね上げ、家族や身内の誰が目にしても、すぐに押さえかかって止めるであろう危険なルートを、シェリーは彼女にしては精一杯慎重に登り始めた。


 そうして二分後、頭を鍋に突っ込んでいた。


 ロンドン中に響いたかもしれないと思うほどの音は、今では過去の一騒ぎとして落ち着いていた。

もちろん、降りる先がどうなっているのかなどということを、シェリーは考えもしなかったのだ。

一緒に転げ落ちた鍋を拾い、元あったのではないかと思われし場所にと戻す。

誰だかの持ち場を踏みつけにしてしまった、とやってしまってから後悔を。

予想はできたことなのだから、慎むべきだった。

もっといろいろなことを考慮に入れなくてはならない。


次からは。