一筋だったはずの涙が大粒になりとめどなく溢れてくる。

あたしは電柱に寄りかかり泣いていた。

どれくらい泣いていたんだろう。

手で覆っていた顔をゆっくりとあげた。

…すると、目の前に人がいた。

暗くてよく見えないけど、あたしと同じ年ぐらいの男。

泣き腫らしたあたしの顔を見てびっくりしている。

うわ、メイクとかとれて顔やばいと思うんですけど。

早くどっか行ってよ。もう。

「どうした?」

あたしの願いはむなしく、男が話しかけてきた。

「あんたには関係ない。あたしにはかまわないで。」

そっけなく言った。

つもりだったのに。