カチャカチャという食器の音と、ガヤガヤとした喋り声。

現在は給食の時間である。

本日のメニューは、ご飯、味噌汁、鯖の味噌煮、お浸しと純和風だ。

生徒たちの会話も、

「おい、お前今ニンジン俺の皿に入れたろ!自分で食えや!」

「返品不可でお願いしますぅ」

「ふざけっ…クーリング・オフ制度適用だ馬鹿野郎!」

といった比較的ノーマル(?)なものから、

「鯖っていうのは、青いからああいう漢字を書くんではないと僕は思うんですよ。僕はね、昔初めて鯖を食した人が調理法を間違って食あたりした結果、顔を真っ青にしたから『鯖』という字を書くんだと思うんです」

「はいデタラメ長台詞お疲れしゃしたー」

という3-5特有のものまで様々だ。

そんな中、突如として「ガララ…」というイレギュラーな音が響き渡り、黒板側のドアが開いた。

ドアを開けて入ってきたのは、理科教師の渡瀬 由佳里(わたせ ゆかり)だった。

この学校では悠楽の次に若い女性教師である。