「あなたは年寄りですか?鼓膜が破れるかと思いましたよ」

 呆れたように呟き店員は机の上に座る“少年”を見た。

 机の前には当然椅子がある。

 見る限り金がかかっているのだろう。

 座り心地もよさそうな椅子だ。

 その椅子を無視し、大量の書類片手に“机に座る少年”は、ニコリと笑った。

 
 「その曲は最低だ、捨てろ」

 「どれだけ我侭なんですか。あなたのリクエストの為に駆けずり回る者の身にもなってください」

 ウサ耳生やした店員に笑いかける銀髪の少年は、持っていた書類を机の引き出しから取り出したシュレッダーにかけた。