「…お願いします!」 「くどい」 キースが頭を下げると同時に、シュレッダーを投げ捨て少年が机から降り、キースに歩み寄った。 コツンコツンとブーツが床を鳴らす。 キースに近づくにつれ少年の指がポケットに伸び、キースとの距離を詰めると同時にいきおいをつけてポケットからナイフを引き抜き突き立てた。 「お願いします、紫神(しがみ)さん!」 顔を上げたキースの瞳わずか数ミリのところで店員の指がナイフを握り制止させていた。