下り坂



学校に着いてみると、

もう全員出発していて先生もゴール地点に向かおうとしていた。




「あら明日田君、遅刻よぉ」



片づけをしていた福田先生が俺を見つけて声をかける。



「すみません。

あの、優木は??」


「あっ、優木さんね、だいぶ前に出発したらしいのに

まだ到着してないみたいなの」


「そうですか。

あ、これ、借りていきますね」



先生の後ろにあった懐中電灯を取り、

俺らがいくはずだったCコースに向かった。