下り坂



教室に向かう途中に牧とすれ違う。

なんか言わなくちゃ。
と、とりあえず謝ろう!



「ま、牧!!」


牧はチラっと私を見るとまた歩き出す。

心が少し痛む。

でも頑張らないと。



「牧!!待って!!」


「今はお前と話したくない」



そういって掴んだ腕を振り払われた。



「…そりゃそうだよね」



さっそうと歩く牧の後ろ姿を見つめながら、

聞こえないように小声でつぶやいた。