下り坂



トラックは愛夏を引くなり逃げてしまった。



「ま、牧…」


「…」



牧は俺らがここに居るのに驚きもせず、

ただただ愛夏を見つめるだけだった。


一瞬にして無残な姿に変わった愛夏は、

そのまま意識が戻ることはなかった。