「…お見合いを、阻止したいんじゃあないのかい?」 唐突に聞こえた声に、隣の家の玄関を見る。 そこには───‥なぜか優しく微笑む華おばあちゃんがいた。 「あんた、お見合いを取り止めにしたいんだろう?」 華おばあちゃんはぼさぼさの男に問いかけた。 『──‥そうなんですか?』 ぼさぼさの男は何度も何度も頭を縦に振った。