電車に身を任せ、数駅。
ついた街にそびえるデパートで、俺は迷わずに華おばあちゃんの手を引いて食品売り場へと向かった。
華おばあちゃんからの依頼は、日用品の買い物。
今日もまた、いつも近くのスーパーに行くように手を引いたが…
『…華おばあちゃん?』
華おばあちゃんが、歩みを止めた。
「…今日は、お洋服をみたいなって…いいかな?ヒロくん…」
そっか…だからいつものスーパーじゃなくてデパートに、か。
「…ヒロくん?」
『あ…もちろんですよ。おばあちゃん。』
俺がニコリと微笑めば、華おばあちゃんにも笑顔が広がる。
───‥俺が、自然に笑える瞬間。

