便利屋




そっと振り返ってみれば、視界に入ったのは…不敵な笑みを浮かべる先輩と、なぜか涙目の奈央で。


『…奈央…?』


「…ッ…行かないで。」


絞り出された奈央の声は、悲しみに震えていた。

俺の左腕を掴む奈央の力が強くなったとき…



───‥奈央の顔が、目の前にあった。


奈央と俺の唇が、重なった。