『その…、害虫さんての?なんで害虫なんだよ。』
「あ、これね。優子がつけてくれたんだよ。」
つけてくれたって…なんかちょっと間違ってるだろ。
『ゆーこ?』
「うん、優子。なんかよくわかんないけど…男の子が告白してくるの、夏に光のもとへ集る虫みたいだねって。」
優子ちゃん、すげー考え方だ。
『そっか。優子ちゃんての?は、お前と仲いーわけ?』
「優子とはね、小さい頃からよくパーティーとかで会ってたんだ。それで、仲良くて…」
パーティー、か。
奈央んちは金持ちだったことを危うく忘れるところだった。
金持ちだからこそ、こうして…奈央が俺に便利屋の仕事を依頼してるワケだもんな。

