便利屋






『───…ごめん。キャパオーバーだ。』



さらにため息を吐き出した俺を見て、奈央の眉が下がったのがわかった。



『もうこれ以上頭んなか何も入んねー。』



次々と惜しむまもなく繰り出される事柄に、事の余韻に浸る暇なんかなくて。



『…なんだよ、せっかく父さんが現れたってのに。これじゃ感動も何もねーじゃんか。』



不貞腐れたような声の不服に、自分でも驚いた。




『はあ…頭んなか混乱しまっくってる。』



情けないよな、こんな弱っちい男でさ。

そんな自嘲気味の笑みを浮かべ奈央を見ようとしたとき、ふいに視界が遮られた。



鼻に感じる香りに、俺は状況を悟った。




『───‥奈央…?』



奈央に頭を抱き締められてる。


そうだ、まるで親が子供を庇うみたいに…だ。



やがて奈央の柔らかな掌が、俺の髪の上を優しく滑り始めた。


効果音をつけるなら───‥
いい子いい子ってあやすような感じだ。