「そーかそーか!そりゃ隆司よかったなあっ♪」
豪快に笑う、父さん。
「あんたは笑ってられる立場じゃないでしょ!秀人!!!」
菜々子さんは父さんが俺をひとりぼっちにしたことを未だ許してやらないみたいだ。
そりゃ、そうか。
俺だって、…あのとき置き去りにされたかったとは願わない。
華おばあちゃんがいなかったら、こんな現実を迎えることもできなかったろうし。
5歳から今までの人生を、歩んでこれたかどうかもわからない。
よくよく考えてみれば、俺は孤児だったワケだから。
認めなかっただけであって。
そして今俺は、孤児じゃなくなった。
この現実を、すんなりと受け入れることに対しての抵抗とか、しがらみとかそんなのは不思議とないけど…
全部が全部、納得できるワケじゃない。
いや、納得しちゃいけないんだと思う。
だけど俺はそんなこと考えられるほど大人じゃないし、子供でもない。
よくわからないけど、今はこれから───‥
これから、どう父さんと生きていくか。
そのことのほうが、大きいんだ。重いんだ。

