奈央の目が大きく見開かれた。
「あの男の子って───‥広人だったの?」
『うん。そうだよ‥?』
奈央の顔には満開の笑顔が咲く。
「広人だったんだ‥!」
『うん‥?』
「わたしの…初恋のひと。」
『初恋‥?』
「うんっ♪♪」
奈央の笑顔に、場の雰囲気が和やかになった。
「奈央───‥」
菜々子さんの声が、切なげにそっと響く。
隆史さんの表情も、どこか悲しそうで。
それに気づいた奈央は、ゆっくりと自分の両親を視界にとらえた。
「わたしも‥お父さんとお母さんのこと、憎んだりなんてしてないよ?」
そっか俺、さっき奈央のご両親にとっての地雷を落としちゃったんだ。
「じゃなきゃこうして、広人と出会えなかったんだもん。」
屈託のない奈央の笑顔に、奈央のご両親も安堵の表情を浮かべた。

