「コントみたいで…いや、……大好きなんだね。」
『え…?』
「彼女のこと、が。」
依頼人に言われ、俺と奈央は思わず見つめあった。
そうだな、大好きさ。
「よし、行くとするか。…便利屋さん、その荷物お願いしますね。」
依頼人に言われ、はっと我に返り、慌てて返事をした。
俺と奈央がカートを押しながらターミナルの外へ出たときには、依頼人はタクシーに行き先を伝えたあとのようだった。
荷物を乗せたタクシーは、静かに走り出す。
奈央はどうしたことか、他人と話すことが好きらしい。
タクシーの助手席に乗り込んだ奈央は、タクシーの運転手と楽しげに話をしている。
話題は至って単純なんだ。
単純だからこそ、いろんな人と共有することができる。

