「そ♪」
そういってにんまりと笑う奈央。
ほんと、奈央って…
『…お前は子供か。』
飴玉ひとつでこんなに喜ぶなんてまったく、してやられたもんだ。
俺だって…飴のひとつやふたつ、くれてやるってのに。
こんな笑顔を他の男に見せたとか考えるだけで、妬いてしまう俺。
心が狭すぎるって、わかってる。
束縛だってもってのほか。
そんなこと絶対にしないし、したくない。
だけど…その笑顔だけは、俺のものだって…
「ふはははっ♪」
それは突然に。
盛大な大笑いが俺の耳に届いた。
俺の目の前にいる奈央も、案の定きょとんとした顔を
───例の依頼人に向けている。
『あの…?』
「悪い、悪い。いきなり笑ったりなんかして…」
『は、はい…。』
なにゆえに依頼人が笑っているのか、到底想像がつくワケもなく。

