『‥悪い、奈央。まかせた。なんかあったらすぐ連絡しろ。』
「広人こそ、しっかり…!」
奈央は女の子と手を繋いだまま立ち上がると、にこやかにアメリカ人家族と話を始めた。
「<なにかお困りですか?>」
奈央の親切な行為に、アメリカ人家族から不安げな表情が消えた。
異国の地の心細さは、よくわかる。
俺だって…父さんがいない¨異国の地¨は、どうしようもなく───。
「…すみません。」
突如上から降ってきた言葉に、思わず肩が上がる。
「悪いな、驚かしてしまったようだ…」
その流暢な日本語とは裏腹に、俺の前に佇む男声の主は…なんともアメリカンだった。
アメリカ人か…?
いや、でも日本人だろ。
でも…
サングラスにキャップを被った男性は、国籍がどちらともつけにくい。
ハーフとかクォーターとかか?
『いえ、こちらこそ申し訳ありません。ぼーっとしていたもので…』
でもそのキャップが、依頼人であるが印だ。
メールで伝えられていた、依頼人の服装。

