すると突然、隣に座っていた奈央が俺の左腕に抱きついてきた。 すがりつくように、俺の腕に顔を埋めている。 『…奈央…?』 「広人…」 『ん?』 「今日…私もいっしょに行っちゃだめ?」 『…だめ。』 「…そっか。」 『嘘。いっしょに行こう。』 「えー…どっち?」 仕事が終わったら、奈央を誘う予定だったし。 『仕事終わったら、ランチしようぜ。』 お食事デートってやつ? 「うん!ありがと。」 にこっとはにかむ奈央は、この上なく愛しくて。