奈央の瞳からは今にも涙がこぼれ落ちそうだ。
『…運び屋……。』
そうかもな。
あまりにも簡単に依頼を引き受けてしまったかも…。
…でも
『大丈夫だよ。』
「どして…?なんでそう言い切れるのよ!」
『もしなんかあっても依頼人の連絡先わかってるし。』
「でもッ…広人が運んじゃったら…」
『だから大丈夫だって。…運ぶ前に何を運ぶのかちゃんと聞くから。』
「…でも」
『それで中身がやばかったり、運ぶ物を教えてもらえなかったりしたら…依頼を断るから。』
「え…?」
『だから、…断るから。』
奈央は驚いた顔をした。
そりゃそうか。
自分から依頼を断るなんて、初めて言ったから。

