便利屋




奈央の顔はなんてこんなにレパートリーが多いのだろうか。


ころころ変わる表情に、今日も俺は惑わされる。



奈央がちょこんと俺の隣に座り、顎のしたに両手をつけ聞いてくる。



「おいしい?」



───‥おいしいことが前提なのかよ。



『うまいよ。』



「そか、ならよかった♪」


なにが一番おいしいって、奈央のおにぎりはもちろんなんだけど…


奈央の笑顔もおいしいよ…なんて言ったら、また奈央の百面相が始まるのだろうか。