───‥キィーッ…
俺の耳に、ひとつの音が届いた。
それは、ブランコ特有の金属が摩れた音で。
音がしたほうを見やれば、誰もいないと思い込んでいた公園には───‥先客がいたみたいだ。
俺の座っているブランコと、ふたつ挟んだ向こうのブランコ。
俺とはいちばん離れたブランコから、歩いてくる小さな人影がひとつ。
夕日のせいで、顔がよく見えなかったけど、シルエットからその子が女の子だってわかった。
「───‥どうしたの?」
そう言ってその子は俺の隣のブランコに座った。
消え入りそうな声とともに、やっと見えた顔には…涙のあとがあった。

