亮くんの過去を聞いた。


苦しくて悲しい過去。
でも、その話をする亮くんの瞳は
悲しい色だったけどキレイだった。


「それから俺は人を好きになるのが怖くなった……。
もう誰も愛せないと思った……。」


亮くんが話し終える頃には
私の目には涙が溜まっていた。

「でも、優美と出会って変わったんだ。
今は、そんな事より優美を失う事の方が怖くなった……。
大好きな優美を失う方が怖いんだよ……。」


『亮くん……。』


私もだよ……
何よりも死ぬ事よりも亮くんを失うほうが怖い……。


「頼む……俺から離れないでくれ……
優美だけは、もう失いたくないんだ……。」