『泊まってく?』

って聞かれたらさー、当然、そういうこと期待しちゃうよねー?


なのに――

心躍らせながらお風呂から上がった私が目にしたものは、ベッドの上で屍のように眠る田所だった。


しまった、しくじった。田所に先にお風呂、入らせるんじゃなかった。

激しく後悔したって、時、既に遅し。



「田所……」

どうしても諦めきれなくて。ベッドの傍らまで行き、田所の身体を揺すりながら呼んでみた。


そしたら、ピクッと肩を小さく跳ねさせ、

「だからいつも言ってんだろ? ドラ●モンばっかに頼るなって!」

と、田所はボソボソと意味不明な言葉を発する。



へぇ……。いつもそんなこと言ってんだー。


――って。寝言かよ、くそっ。