でも俺は前を見て歩いて行こうと思った。 俺は弟の分も生きなきゃって……。 だから俺はいじめにあっても前を向いて生きてきた。 勉強して、立派な大人になるのを夢見て生きてきた。 だから高校にも入った。 立派な人間になるために……。 だがもう限界だ。 俺の親は薬物乱用で死んだんだ。 せっかく苦労して入った高校だったが、俺は遠い親戚の家に預けられ、この高校に編入した。 そして今も周りの人間は俺にこう言う。 『可哀相…』