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屋敷に、今まで目にしたコトがない豪華な調度品や宝、衣が届けられた。


一際、目を惹いたのが庭に咲く満開の枝垂れ桜と同じ淡紅色の衣だった。



「姫様…」


お付きの女官たちは涙で衣の袖を濡らす。


相手は誰だが分かっている…


昨日の公達・藤原知貴。



よくよく訊けば、京では噂の女たらし。

『源氏物語』の光の君の等身大モデルとも言われている。


でも、光の君のように情に熱いワケではない。
一夜限りの女は数知れず。


私のような落ちぶれた姫など。


本気で相手等するはずないーーー・・・