「あの…」
私はやや不機嫌に言う。
「私は犬とか猫じゃないんで、自分で拭けますけど。」
「いいの、俺に任せとけば!」
「はぁ…。」
そうは言ってもこんなかっこいい人がこんな近くにいて髪を拭いてくれるなんてドキドキするじゃん…。
って違う!これは別に浮気心とかじゃなくて…
「何をぶつぶつ言ってんの?」
「へっ!?いや、なんでもないです!」
「ふーん、そっか。やっぱ変なやつ。」
そう言って今までには見せた事のないくらい柔らかい笑顔を作った。
不覚にも顔が火照るのを感じてしまう。
私は彼に悟らないように俯く。
無言の2人。佐武さんが優しく水滴を拭ってくれる感触を余計に感じてしまう。
