階段をどんどん下りて行く。 嫌な予感がしたのは言うまでもない。 やっと隼揮が立ち止まったと思ったら 乱暴に弘也の手を離した。 「…お前が上手くいかずに グズグズするなんて 珍しいな。」 「………。」 返事などしない。 そんな弘也に対し 慣れたように続ける隼揮。 「それともあれか。 全然余裕ってか?」 「………。」 「お前があの子狙ってんのは知ってんだよ。 見てりゃ分かる。 気を使ってるんだろ、健吾に。 また 繰り返すとでも思っているのか。」 さすがに 反応しずにはいられなかった。