恋花よ、咲け。





なんだか
心霊現象を体験しているような気分になり

行くか迷ったが
もしも泣いているその人が
誰かに見つけてもらうのを
待っているとしたら
行かずにはいられなかった。


静かに近づく。 一歩一歩 慎重に。


だって
もしも幽霊だったら 怖いから。


そっと、階段の踊り場を覗いた。


泣き声がする。


やっぱり、引き返そうかな。


そう考えて 振り返った。


そして 歩き始めた。


東階段で泣いているなんて
きっと 誰にも見られたくないからなんだよ
と 自分に言い聞かせて。