オノマトペ

水温28度。

遊ぶにはちょうど良いくらいの温度なのだが、雪菜の白い頬はすでに赤く染まっていた。

外が寒いので、室温を暖かく設定してあるせいもあるかもしれないが。

プールを眺める雪菜の頬に、むわん、と湯気が立ち上ってくるのが彼女には分かった。

「ううー……」

ちょっとだけ怯んでしまう。

それでも。

それでも、この温度に慣れたい。

この温度に慣れたら、今度は40度に挑戦したい。

(だって、小岩井さんのお背中流したかったものっ!)

雪菜は飛び込み台からぱっとプールの中に飛び込み、頭まで沈んだ。


情けないかな、雪菜は勇気を出して温泉に入ったにも関わらず、2分でギブアップしてしまったのだ。

想い人の背中を流すどころの話ではない。


微笑ましく背中を流し合ったスペシャルハレンチたちが、ちょっと羨ましい雪菜であった。