オノマトペ

だけど。

ああ、だけど。

謝らないんだ。

ぜったいぜったい、謝ってやらないんだ。

二ヶ月も我慢したのだから。

ずっと笑顔で頑張って、寂しさに耐えてきんだから。


今もぐっと唇を噛んで涙を堪えている花音を見て、チビっ子剣士は一歩前に踏み出すと、そこで直角に腰を曲げた。

「すまなかった」

言い訳も、何もない。

ただ潔く、謝罪の言葉だけを口にする剣士君。

そんな彼を涙目で睨みつけた花音は、くるりと踵を返した。

(あっ……)

背中向けちゃうの? とクラスメイトたちはハラハラし、剣士君は絶望感に打ちひしがれたような、哀しい顔をした。


花音は自分の席に戻り、そこに座っている五所川原の腹のチャックをジー、と開けた。

そこに手を突っ込んで取り出したのは、ピンクの小箱。

毎日毎日、チビっ子剣士を想いながら書いた文がたくさん詰まった、花音の想いの欠片。