オノマトペ

「直接攻撃を受けた人だけでなく、その後ろの人たちにまで力を波状に伝達させる。……フェイなら、ちゃんと出来るんだけど……私のは未完成。動きも遅いし……実戦には使えない。あなたにダメージを与えるので精一杯だよ」

拓斗の顔が引き攣る。

これで未完成?

フェイレイならば更に強い衝撃を与えられると?

そんなものを食らったら、きっと拓斗は心臓を止めてしまう。リディルの技を食らっただけで臓腑が口から飛び出してきそうなのに。

こんなにも凄い威力なのに、実戦には使えないという。

彼らは一体どれだけ凄いものを相手にしてきたのだろう、と芝生の上に転がりながら驚愕する拓斗。

修学旅行のときに拓斗が相手にした『チビモゲラ』よりも、もっと凶悪な……『シロモゲラ』レベルの敵の姿が脳裏を過ぎる。

そんな拓斗の顔を見て、リディルは軽く首を傾げた。

「でも……少し、効いた?」

(少しどころじゃありません)

内心そう返す拓斗の声が聞こえたかのように。リディルはもう一度低く構えた。