オノマトペ

ひと呼吸置いた後の攻撃はリディルから。

緩やかに、流れるような足運びで移動しながら隙を伺い、瞬間的に速さを増した中段の回し蹴りが飛んでくる。

続けざまに上段蹴り、後ろ回し蹴り。

牽制のためのものなのか、それほど威力のない蹴りは難なく受け止められた。

そのまま足首を掴んで、捻りを加えてリディルの身体をを芝生の上に叩きつける。

が、ここで拓斗は手を緩める。

試合相手とはいえ、女の子を投げてしまった。

そんな躊躇いが隙を生む。

リディルは掴まれた足を下へ引きながら、反対側の足を拓斗の後頭部へ引っ掛け、そのまま地面へなぎ倒した。

芝生に倒れる拓斗とは反対に、起き上がるリディル。

「……手加減、しちゃうんだね」

少し首を傾げ、拓斗を見下ろす。

「あ……す、すみません……」

謝ると、リディルは後ろ向きに拓斗から離れていった。それを不思議に思いながら、拓斗は起き上がる。