オノマトペ

本能的にしゃがみこんで回避した拓斗の頭上を、ひゅっと高い音を立ててリディルの腕が振り抜かれた。

背中に寒いものを走らせながらも、芝生の上に手をついて、咄嗟に足払いをかけた。リディルは軽く後ろに跳んでそれを回避する。

少し離れたところに着地し、そのまま両者は視線をかち合わせた。

「……凄い、ですね」

しゃがみこんだまま、そう言う拓斗。

「そうでもないよ」

リディルは表情を変えず、呟いた。

「避けられるとは、思わなかったもの。……よく見てるね」

さあっ、と涼やかな風が2人の間を吹き抜けていく。

ゆらり揺れるリディルの頭の赤いリボンが、元の位置に収まるのを見届け。

拓斗はしゃがみこんだ状態から、飛び上がるようにリディルへ突進した。

重量がなく力もそれほどない彼は、動きの速さを駆使して連打で相手を翻弄する戦闘スタイルだ。