オノマトペ

それをリディルは、ふわりと風に揺れる草のように柔らかな動きで回避した。

そのまま倒れるのではないかと思うくらい、ゆらりと身体を倒し、しかし素足は芝生の上を滑るように歩いていく。

拓斗は構え直し、今度は左からの一撃。

しかしそれもゆらりとした動きでかわされる。

風の中をひらりと落ちる花弁のように、捉えどころのない動きだ。

(もう少し、速く)

リディルの動きに気合いが入った。

とん、と軽く踏み込んで、しなやかに、風を唸らせながら拳を突き出す。

ダメージを与えるというよりは、牽制し、間合いを計るための変則ブロー。

リディルは横から飛んでくるそれを腕を挙げて受け止め、そのまま軽くとん、と下に払った。

しまった、と思う間もなく、リディルの身体がくるりと回転した。

回転しながら容赦なく繰り出されるのは裏拳。回転することでスピードやパワーがなくても相手に大ダメージを与えられる技。

それが拓斗の眉間を狙う。