オノマトペ

彼女たちの辿ってきた道は、拓斗の想像の及ばない、かなり過酷なものであったようだ。

勇者と姫。

魔王との戦い。

まるで御伽噺のようで、まったく現実味はなかったのだけれども。

クーデターやら記憶喪失やら、拓斗でも理解できる言葉で聞くと、ようやくその大変さを実感できた。

クーデターから魔王との戦いまでの道のりはどんなものなのか、まだ繋がらないけれど。

きっとそれも過酷なものだったに違いない。

戦争、だなんて。

命のやり取りではないか。


あまりの事実に言葉を失っていると、リディルが顔を上げた。

「ああ……あんまり、気にしないで。私は気にしてないから」

無表情なリディルの顔に、僅かに笑みが浮かぶ。

「フェイがいるから、私は大丈夫」

その言葉に、拓斗にもやっと笑みが浮かんだ。

「そうですか」

「うん」

頷くリディルに、拓斗も更に笑みを広げる。

素敵な関係なんだな、と思いながら。