「来年は同じステージに立つのかな?」
素晴らしい試合に歓喜する観衆の中で、和音が訊ねる。
「……うん。あそこを目指して、頑張るよ」
そう言う拓斗に、和音は微笑みかける。
「今度は“突き抜けられそう”、かな?」
その言葉に、拓斗は丸い目を更にまんまるにして兄を見た。そして口を尖らせる。
「……兄さんには何もかも見通されているような気がするよ」
「ふふ、そうでもないけどね」
──そう、確かに。
この道を選んだのは、自分に足りないものを得たかったから……そこに手を伸ばしたかったから、だ。
リング上で満足げな顔をしている、勇敢な戦士たちのように。
誰にも遠慮することなく、誰かの背を追うのでもなく。ただひたすらに己の道をゆく。
そういう“我侭な”生き方を、してみたかった。
(それも、兄さんの影響ではあるのだけど)
それでも、自分だけの道を見つけるために。
拓斗はこれからも武道家として歩んでいく。
◇
素晴らしい試合に歓喜する観衆の中で、和音が訊ねる。
「……うん。あそこを目指して、頑張るよ」
そう言う拓斗に、和音は微笑みかける。
「今度は“突き抜けられそう”、かな?」
その言葉に、拓斗は丸い目を更にまんまるにして兄を見た。そして口を尖らせる。
「……兄さんには何もかも見通されているような気がするよ」
「ふふ、そうでもないけどね」
──そう、確かに。
この道を選んだのは、自分に足りないものを得たかったから……そこに手を伸ばしたかったから、だ。
リング上で満足げな顔をしている、勇敢な戦士たちのように。
誰にも遠慮することなく、誰かの背を追うのでもなく。ただひたすらに己の道をゆく。
そういう“我侭な”生き方を、してみたかった。
(それも、兄さんの影響ではあるのだけど)
それでも、自分だけの道を見つけるために。
拓斗はこれからも武道家として歩んでいく。
◇


