オノマトペ

フェイレイはその刀を、一歩後ろに退いただけでかわす。

「待ってくれ、俺は戦う気は……」

「問答無用だ!」

空気を切り裂く高い音が幾度も響く。

だが刃がフェイレイを掠めることは無い。

刃どころか、風も、高い音すらも、フェイレイの肌に届くことは無かった。

相手の力量を見定める間、多少手加減はしているとはいえ、ひとつも傷をつけることが出来ない。

「……やっぱタダの人間じゃねぇな」

夏休みに一度やりあったスペシャルバカも、人間の領域を超える『特別』だと思った。鷹雅はそういう輩を天神学園で何人か見ている。

目の前の赤髪の男も同じだ。

だが、ただの人間にしては超越しすぎている。

そういう輩が親しい友人に怪我をさせた。

危険だ。

至極最もな思考で鷹雅は刀をふるった。