それは例の花瓶を使った方法だった。



『ガラス製の花瓶と窓ガラスを使って“合わせ鏡”を作ったのかも…』



『“合わせ鏡”か…。面白いね。でもそれは無理があるかも。』



『何故?』



『“合わせ鏡”ってのは被術者…つまりシノブがそこに自分の姿を見ないと意味がない。』



まず、バスルームに行けば鏡があるのに、彼女が花瓶や窓ガラスを使うとは思えなかった。



『それに、“合わせ鏡”は悪魔の類いを召喚出来ても、人を操る事は出来ない。』



『なるほど…じゃあ、別の何かか…。』



う~んと唸る右京にニックは『黒魔術であるなら…』と話し出す。