『…さてはシノブに拒まれたか…』



『だからお前と一緒にすんなっつーの!』



『冗談だよ。…で、なんだって黒魔術を?』



『実は問題が起きてね…』



右京の話を聞きながら、ニックは顎髭に手を当てて部屋をうろうろと歩き回る。



『…つまり、アスタロトの目的は忍だっていうのか?』



『あぁ、おそらく。…正確にはお腹の子だろうけど…』



アスタロトは人を操るのが得意だ。



だが、接触せずに操るのは不可能に近い。



『アスタロトがどうやって忍を操ろうとしてるのかが知りたい。』



『なるほどね…それで“黒魔術”か。』



『そう。で、例えばなんだが…』



そう言って右京は自分の立てた仮説を口にした。