「どうした!?…痛いのか!?」



「えっ…?…あ、平気だ…」



あれほど激しかった痛みは嘘のように消えていた。



だが、魘されていたらしく、全身から噴き出した汗で寝間着までぐっしょりだった。



右京はキュッと忍を抱きしめ、ヨシヨシと髪を撫でる。



その大きな手に安心して暫し身を預け目を閉じた。



忍が無意識に庇うように抱いていたお腹を右京が上から撫でる。



…貴方のママもパパも、こんなに愛してる事を忘れないで…。



「大丈夫…お前もこの子も守るから…」



「ん…信じてる。」



自分達を包む空気が優しい…。



…そうか…右京が傍に居るから…。



まるで彼の翼に包まれているような…そんな気がした。