明け方、鈍い腹部の痛みに身体を起こした。



「…いっ…!?…なんで…」



隣に居るはずの夫がそこには居ず、酷く不安になる。



そして、最悪の事態を想像して「嫌だ…」と繰り返し呟いていた。



─“呪え…お前が身籠っているのは悪魔の子だ…!”



…違う…!



─“この世を破滅させるかもしれないぞ…?それでも産もうというのか?”



…この子は…ただの人間よ!



─“産まれて来た事を恨むやも知れんぞ…?”



…それは……それは…



「…痛い…っ!…右京…助けて…!」



─“呪え…呪え…呪え…!”



頭の中の声に抵抗しようとすると、激痛に襲われる。



…嫌…嫌だ…!



「…忍っ!!…」



耳元で聞こえた右京の声にハッと目を開けた。