だが、バンドの花形はやはりヴォーカルのテリーで、ライヴの時の黄色い声にも圧倒的な差があった。



だからアダムはテリーが好きではない。



当のテリーは何故かアダムにベッタリで、バンドメンバーも呆れる程だった。



先週もイギリスでパパラッチされたが、それもバッチリ自分とテリーのツーショット。



見出しには“テリーはゲイ!?”みたいな物だった。



なのにテリーは嬉しそうにその記事を自分に見せて来る。



…まさか本当にゲイじゃないだろか…。



そんな世の中の秩序に反した事が身近にあったら堪らない。



が、どこか憎めない…アダムにとってテリーはそんな存在だった。