アランはイギリス軍大佐である父親に頼み込み、なんとか誤作動という事で片付いたがかなり絞られたとか…。



『特攻が帰って来たんだ。これくらい安いもんだ。』



眼鏡をクイッと押し上げそう言うアランに右京は頭が上がらなかった。



今後を考えると気が重いが、今の右京は嬉しく思えるのだ。



信頼出来る仲間が居る事が、こんなにも心強いなんて感じた事はない。



ふと、突然泣き出したケイの声に右京は顔を上げて時計に視線を移した。



『…ミルクだな。』



虎太郎にビールを渡してキッチンへ行く右京を目で追う。



ー…ヤット父親ラシクナリマシタ



そんな囁きに虎太郎は視線を足元に居た黒い塊に落とす。



『…ああ、ホント。ありゃただの父親だな。』



天使だとベルセルクだとか関係ない…ただの人間と同じだった。



『…羨ましいな…右京が。』



ー…リサ様モ同ジ気持チナノデハ?…マスター



ルークの言葉に虎太郎はドキッとした。



今までそんな事を考えた事がなかっただけに、妙に意識してしまう。



忍がケイの世話をする様子に興味深々なリサを見て、いつか自分も…と密かに思うのだった。