…あの男のせいだ…



黒崎という男に会ってから自分はおかしい。



別に何を言われた訳じゃないのに、妙に心を掻き乱される。



彼の仕草一つ一つが完璧で、自分の全てをダメ出しされている気分になるのだ。



田所は喫煙所を出てしのぶを追った。



「なぁ、沖田知らないか?」



「あぁ、多分リネン室だと思います。」



通りすがりの従業員に例を言うとリネン室へ急いだ。



「沖田!」



リネン室に田所が来る事は殆どないだけに、皆が驚いて一斉に振り返る。



「なっ!?…何やってんの!?あなた会議じゃないの!?」



「まだ時間はある。…それより話がある。」



「私はないわ。…退いて。仕事中よ。」



田所にそんな事を言えるのは沖田ぐらいで、周りの者はヒヤヒヤしていた。